2007年6月17日 埼玉障難協平成19年度定期総会にて 特別研修会での当グループからのごあいさつ
はじめまして。埼玉障難協さんにこの5月に加入させていただいた、全国CIDPサポートグループの、事務局ならびに関東支部の辻と申します。
今回は新規加入団体ということで、この総会という貴重な場で諸先生方を前に、私ならびにグループの体験談を、10-15分ほどお話させていただく機会を頂き、大変うれしく思っております。どうぞよろしくお願いします。
埼玉県では、私たちの疾患であるCIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)という病気に対しまして、3年ほど前から大変貴重な財源を、県単独指定の公費負担対象疾患という形でお取り組みいただいており、大変感謝いたしております。ご存知とは思いますが、現状でCIDPに対して公費負担をいただいているのは、日本の中で埼玉県と東京都のみです。
私たちの頭の中やそこから伸びて脊髄を通る神経、そして視神経が中枢神経といわれていますが、脊髄から四肢をはじめ身体各部の筋肉に至る神経を末梢神経というそうです。
CIDPはその末梢神経を覆っているたんぱく質の部分に対して自己免疫が働いてしまう病気です。一方、中枢神経の同様な部分に自己免疫が働いてしまうのが、多発性硬化症です。
CIDPは123疾患の難病の中には入っており、重症筋無力症や多発性硬化症と同じ神経免疫疾患に分類されますが、国の公費負担のある45疾患の中には入っておりません。ただし、重症者の割合は、多発性硬化症などとほぼ同じです。
このような現状の中で、県単独の指定疾患として埼玉県で公費負担いただいていることにつきましては、県内の医療関係者の方々や県の行政と福祉に携わる方々の努力と見識の高さの結果であり、患者会としてまた一患者として大変感謝している次第です。
また、埼玉障難協さんに初めてごあいさつをさせていただいたのも5月でした。
交流センターという魅力的な施設の中にある上に、われわれのような小さな患者団体に対しても大変暖かく親切にご配慮いただきました。
財政の問題などから他県の難病連さんや協会には所属をしていなかった私どもですが、埼玉障難協さんにだけはすぐに入会させていただくことにいたしました。その節はありがとうございました。
考えてみますと、当グループは昨年設立したばかりですので、県ではそれ以前からCIDPを単独指定しているわけです。
ですから、県や埼玉障難協の皆さんのご厚意に甘え、要望などばかりを言うのではなく、患者はもちろん、医療、行政、各方面の皆さんから信頼されうる患者会を目指していきたいと考えています。
そのためにも、患者会としての医療情報の蓄積や、各関係諸機関との意見や情報の交換に、さらに努力したいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。
さて、CIDPという病気の病態や治療につきましては、お手元に配布させていただいた「グループのしおり」やA4の資料をぜひ後ほどごらん頂ければと思いますが、この機会に若干のご説明だけさせていただきたいと思います。
まず病態ですが、先ほども申しましたように、CIDPは慢性炎症性脱髄性多発神経炎と申しまして、脊髄から出る末梢神経を覆う鞘の部分を、自分の免疫システムが攻撃してしまう自己免疫疾患です。症状としては、特に四肢の麻痺や痺れなどの感覚障害や、筋力低下や脱力などの運動障害症状を特徴とします。車椅子や寝たきりの方もおり、約10%程度の方が、身障者1級または2級の手帳をお持ちのようです。
私の場合は、幸い症状は軽いのですが、他の免疫疾患同様、日によって、または一日のうちでも体調が変動したりします。今日は手先足先の痺れがとれません。
年齢差や性別差もほとんどなく、私どもの会員は4-5歳の幼児から70歳代まで、ほぼ均一に分布していますので、就学や就業などの社会的な問題も一様に発生します。
患者数は全国で約2000人といわれていますが、その希少性のほか、発症原因や根治療法が不明な点や障害を残しやすい点は、他の難病と同様であり、その研究の進展と解明を切に願っております。
また、その希少性ゆえ、専門医以外ではご存知でないお医者様が残念ながら多く、痺れや麻痺などの症状から、整形外科に回されてしまい、誤った治療や不要な手術をされてしまうという信じ難い例も、実は少なくありません。
今回、埼玉障難協への加入とともに、全国で2回目になりますCIDPの医療講演会を県の福祉講演会として10月に企画していただきましたので(独協大の先生の講演を予定しております)、より広く医療に携わる方や県民の方にCIDPを知っていただく大変良い機会と思い、ぜひ成功させたいと考えています。
次にCIDPの治療法ですが、免疫疾患に広く用いられるやステロイドによる治療のほか、IVIgを用いた治療や血漿交換法による治療、免疫抑制剤による治療などがあります。
多くの患者はそれらのいずれかに良く反応しますが、一方でいずれの治療にも反応しない難治性のCIDP患者がいるのも事実です。
またCIDP治療として、第一選択されることの多いIVIg大量静注法は、血液製剤を用いる関係上、非常に高価であり、また、患者によってはその治療を1ヶ月に1回など頻回に受けなければ体調を維持できない方も多く、患者の経済的負担が大きいことも事実です。その血液製剤の値段は一本3万円程度するそうで、1クールで5-60本を使用します。
私の場合は、IVIg治療を1クール(5日間)行い、その後ステロイドで体調を維持して、現在はプレドニン1日10mgで通常に就業ができております。
今後当グループとしても、会員に対して疫学的な調査を早急に実施したいと思っており、その病態や、経済的側面なども明らかにしていきたいと考えておりますので、行政関係、医療関係、また他の患者会のみなさんとの更なる情報交換をぜひお願いしたいと思います。
今回埼玉障難協に加盟させていただき、医療講演会の実現や、会員の交流センターの積極的な利用など、会の掲げている目的のいくつかを具体化することが出来ました。
いろいろと教わるべき先輩団体のほかにも、123疾患以外の患者団体や45疾患以外の患者団体さんもいらっしゃいますので、小さな団体ですが、より情報交換を密にして手を取り合い、埼玉障難協の加盟団体として、多少でも埼玉県の福祉の向上にお役に立てればと思っております。
どうぞ今後ともご指導よろしくお願いします。
2007年6月17日 (事務局 辻)
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